2007年10月アーカイブ

マグロやサケ、サバ、ニシン、イワシ、カツオなどの脂の多い魚は、DHAやEPA、DPAといった長鎖オメガ3脂肪酸の最も重要な供給源で、1970年代前半にデンマークの研究者たちが、グリーンランドに昔から住んでいて、脂の多い青魚やアザラシ、クジラを常食する人々は、驚くほど心臓病の罹患率が低いことを発見した。研究者たちは、この心臓病予防効果を食物中のオメガ3脂肪酸の作用と考えた。

当然、水産業界は魚を多く食べることによるオメガ3脂肪酸が健康に与えるメリットのほうが、リスクよりも大きいと証明したがっている。・・・ 医学院の2006年10月の報告では、魚介類を食べることで心臓病のリスクが減ると結論付けられたが、オメガ3脂肪酸がその原因であると断定するには、複数の研究の結果にばらつきがありすぎるという判断が下された。

 

複数の研究が矛盾した結果を出しているときには、どちらの解釈も成り立つ。

 

世の中の情報は こういった解釈に基づいて そういう結論を導きたがっている業界にとって有利になる研究結果が発表されていることも多いわけなんですね。・・・・・   色々と混乱するなあ・・・・

現在の日本人全体の食生活を栄養素のバランスで見ると、世界の中では優等生だとする、
国立健康・栄養研究所研究企画評価主幹 吉池信男氏によると
「よく昔ながらの日本の伝統的な食事が一番だという人もいますが、そうとは限りません。ご飯中心で動物性の食品が極端に少なく、塩分の多い干物などの魚、漬物、味噌汁を多くとる。そうした食生活の時代の日本人の健康状態は良好だったとはいえません。経済発展によって、そうした食事に肉や乳製品が加わった現代日本の食事が、栄養学的にみるとバランスがとれているんです。」という。

栄養バランスが悪くないとすると、あとの問題はカロリーを適正化することだとして、
「体重1Kgは、だいたい7,200Kcalのエネルギーに相当します。健康上は1ヶ月で1Kg程度までの減量が望ましいので、今とっているカロリー摂取量から毎日240Kcal減らせば1ヶ月で1Kg、200Kcal減らしても1ヶ月で0.8Kgやせられます。1日200Kcal減らすには、食べる量を100Kcal減らして、もう100Kcalは動いて消費すればいいんです。カロリーの足し算ではなく、引き算で考えれば難しくありません。」

最強のダイエット法は?

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2007年3月、スタンフォード大学の研究グループが4つのダイエット法を比較する研究結果を発表しました

4つのダイエット法とは、「アトキンスダイエット」「ゾーンダイエット」「オーニッシュダイエット」「低脂肪食ダイエット」です。
「アトキンスダイエット」は脂質とタンパク質が高めで糖質が低い食事を摂るとともに、必要に応じてサプリメントで栄養補給をする方法です。「ゾーンダイエット」は 炭水化物、たんぱく質、脂肪の摂取バランスを整える方法で行い、除脂肪体重から特別な方法で算出した、たんぱく質の摂取量の割合を元に、炭水化物を4、たんぱく質を3、脂質を3の4:3:3の割合で摂取すれば肥満を解消するだけでなく、病気に強い体を作ることが出来るとするものです。

「オーニッシュダイエット」は殆どの脂肪食品を禁止する方法で「低脂肪食ダイエット」は文字通りです。

1年間の食事療法の結果、「アトキンスダイエット」を行った人々の体重は平均約4.5Kg減り、他の方法では1.5Kg~3Kg減っただけだったので、マスコミは「アトキンスが一番」と報道したそうです。 

しかし、当のスタンフォードの研究者の代表は「私たちの研究では4つのグループのどの方法でも、きわめてわずかな体重減少しか認められなかった」という見解を示しました。 結局研究者達の結論は「適度に食べて、定期的に運動せよ」というものでした。

「食事から脂肪を減らすと、ソーダ飲料などコーンシロップで甘みがつけられた飲み物や、精製されて繊維分が少ない、炭水化物が豊富な食品に手を出しやすくなる」ので 「食事から脂肪を減らすことを強調するよりも、炭水化物を減らせというほうがシンプルで効果的だ」としています。

非常に説得力のある研究結果であると思います。

 

情報をどう受けとめるか

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DVDで「サンキュースモーキング」(Thank You For Smoking)というアメリカ映画を見ました。

タバコ産業から資金提供を受けて、タバコが有害ではないという情報操作を行うための研究機関のスポークスマンである主人公が、タバコの害を根絶するためにタバコのパッケージにドクロマークをつけて毒であることを視覚的に訴えようと活動する上院議員側と激しいディベートを繰り広げるコメディでしたが、世間にまことしやかに発表されるいろいろな研究データの結果は、裏ではその研究に多大な資金提供をしている産業界からの意志が強く反映されていることが多いことを描いていました。

ダイエットに関するいろいろな研究結果を調べてきましたが、大変考えさせられる映画でした。映画には酒の業界から資金援助を受けて同じような活動をしている女性と、銃の業界から資金援助を受けて活動している男性が主人公の仲間として登場しますが、こういうことが色々な業界で行われていることは 容易に想像がつきます。

大学や大学院の研究室は 自分たちの研究を行うための資金を一般企業の資金援助を受けて行うことが多いわけで、色々な研究者が発表するデータや研究結果からの発見は、その研究を支援してきた業界の意向を反映していることが多いという訳です。十分に説得力のある話です。大学だって資金なくして研究を続けることは出来ません。そして、そんなふうに業界からの資金提供を受けて進められる研究から導き出される研究成果は その業界にとってマイナスになるような研究結果ではダメなわけです。

映画は主人公を 「彼は嘘はつかない。ただ真実に手を加えるだけ」と表現します。

ダイエットについての情報は毎日 すごい量の情報があふれています。この映画を見て 情報をどのように受取るかを良く考えないといけないことを知りました。

10日の朝日新聞朝刊に、NHK「ためしてガッテン」ディレクターの北折一氏の 「計るだけダイエット法」が紹介されていました。50g単位で量れるデジタル体重計を使い、毎日の朝食前と夕食後の体重を計ってグラフ化して、食べすぎを調整するだけで7ヶ月で14Kgやせた というものです。

でも実際は、食べるものも選別して 「空腹は階段を3階分上がれば紛れる」と 色々としているわけです。そういったことを抜きにして、「計るだけ」と表現しないと 注目を浴びないからなのでしょうか?

毎日朝夕の体重を計り記録するということは 正しいダイエット法の重要な行動項目の一つですが、それだけをクローズアップするのは どうなんでしょう? 個人差がありますから もちろんこの 北折氏には ぴったりの方法だったのでしょう。

でも やはり栄養バランスのことや 空腹時に運動するなどは 注意しないと危険ではないかと思います。

~わざと数キロ太ってはやせる「実験」を繰り返し、有効性を確認した~ と記事にはありますが どうだかなー・・・
記事をそのまま うのみにする気にはなれません。 

医歯薬出版株式会社 ライフステージ実習栄養学~健康づくりのための栄養と食事 第3版 P68から以下引用します。

 「過激なダイエットの結果、脱毛、生理不順、無月経、骨折などで入院する例も多い。これらの健康障害は短期間に4~5Kg以上減量した人にみられる。体脂肪以外の筋肉まで減少してしまうことは危険を伴う。基本的な適正栄養摂取を崩さず、ゆっくりしたペースで月に1~2Kgを目安に減量することが望ましい。(中略) 身体を動かさず、すなわちエネルギーを消耗させずに食べるだけでやせるといったダイエット法が宣伝されているが、炭水化物、脂質、たんぱく質の三大栄養素のバランスを崩したダイエット法は危険である。」

これらのことは これまで見てきたことと同じです。 食事献立作成上の留意点として 以下のことが列挙されています。

お酒はダイエットの大敵

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表示  お酒が好きで、毎夕 一日が終わってホッとした時 お酒が恋しくなります。昔から「酒は百薬の長」ともいわれていますが、実際は肝臓に負担をかけて弊害をひきおこすものとされています。肝硬変、ガンや脳卒中などのリスクも高まるとされています。

カロリー制限をして、朝・昼の食事に気をつけていても、夜お酒を飲んで、酔いにまかせて食べ過ぎてしまったという事は経験上良く有ります。お酒自体のカロリーではなく、おつまみとして食べるアテがカロリーオーバーにつながります。

健康に影響が少ない純アルコール摂取量は1日20g以内が適量であるとされています。お酒には色々な種類がありますが、そのお酒に含まれる純アルコール量は 酒量ml×アルコール度数%×0.794g/ml÷100 で求められます。
例えば アルコール度数43%のウイスキーなら ダブル60ml1杯が純アルコール量20gに相当します。 毎日お酒を飲む習慣があるものにとって、ダブル1杯で ほろ酔いになるのは 無理ですね。ウイスキー60mlを薄く水割りにしたら何杯になるのでしょう・・・ 

 

アメリカのピッツバーグ大学Pittsburgh大学身体活動体重管理研究センターの研究グループは、2000年1月から2001年12月にかけて、21~45歳のBMIが27~40で、運動不足(運動時間が週に3日未満、1日20分間未満)の米国女性201人を対象として、4段階の運動負荷と600~700kcalの食事制限を組み合わせた12ヶ月間のダイエットプログラムの試験を実施しました

参加者全員にトレッドミル(ランニングマシン)が貸与され、週に1000kcalまたは2000kcalというかなり多い運動量が課せられ、これに運動負荷の高低を組み合わせた4段階の運動負荷に対して無作為に参加者を割り振りました。参加者には運動負荷に加え、1日のエネルギー摂取量を1200~1500kcal、脂肪摂取量を全エネルギー摂取の20~30%にする食事制限を課しました。参加者の開始時点の平均体重は87.4kg、平均BMIは32.6と 肥満している女性です。

トレッドミルの速度は時速4.8Kmで、傾斜によって負荷を変えたそうです。

カロリー制限によってサーティュインという老化防止酵素が活性化されるという研究結果があり、極端なカロリー制限を提唱する医者もいます。しかし、そのメカニズムはまだ完全には解明されていません。

腹八分目が昔から長寿の秘訣といわれ、生活習慣病をひきおこさない食事の摂り方と言う話は良く聞きます。低脂肪ダイエットや低炭水化物ダイエットを勧める医者もいますが、これまでこのブログで見てきたように ある種の極端に偏った方法は正しいとは思えません。複雑な人間の体のメカニズムには 偏った食事方法は 一方を立てれば他方は立たずといった感じで、結局は体の総合的な健康にとっては決して良くないのだと思われます。

結局結論は 栄養バランスの良い食事を毎日三食規則正しくとり、カロリーを摂り過ぎないという 極当たり前のことになってきます。 マウスや人体実験の結果を通じて 諸説ありますが ある一面は正しい検証だとしても 総合的な健康という観点からすると それらを 鵜呑みに信じるわけには行かないように感じます。

バランスの良い食事

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平成17年6月に 厚生労働省と農林水産省は「食事バランスガイド」を作成しました。
料理を主食・副菜・主菜・牛乳、乳製品・果物の5つの料理に分けて、それぞれの摂取量を1つ(サービング=SV)という単位で示しています。成人でBMIが25を越す人は、体重変化を見ながら200Kcal下げる工夫が必要としています。

人が生命を維持していくために必要不可欠な栄養素はタンパク質(P)脂肪(F)炭水化物(C)の三大要素で このバランスをPFCバランスといい、蛋白質15%脂肪25%炭水化物60%くらいのエネルギーバランスが理想的なPFCバランスだとされています。 PFCにビタミンとミネラルを加えて5大栄養素、食物繊維と機能性栄養素を加えて7大栄養素と呼びます。

デスクワーク中心で活動量の低い人の場合、1日のカロリー摂取量は2,000~2,200Kcalと示されていますが、個人個人で必要なエネルギー摂取量は異なるので 標準体重から必要なエネルギー摂取量を決めることがより良い方法だと思います。

平成12年の厚生労働省国民栄養調査の結果、30歳~50歳代の壮年期における栄養摂取の問題点として、高脂肪、低繊維、高食塩、朝欠食が上げられています。

朝欠食する人は夕食を摂る時間が遅いことや、夜食を摂る習慣などにより、毎日規則正しい食事を摂る習慣が無いことが多いようです。

生活習慣を改善するには、1.脂肪摂取率を25%以下 2.食物繊維を1日20g 3.食塩は1日10g未満にすること とされています。 摂取カロリーと栄養バランスが適正であっても、1.早食い 2.まとめ食い 3.間食 4.遅い夕食 5.習慣的な夜食 などを続けていると肥満します。 

夕食は遅くとも 9時までには済ませ、不規則な仕事についていて夕食が遅い場合も、寝るまでに少なくとも2時間はあけることが必要です。 食後すぐに寝ると、食べたエネルギーが効率よく脂肪に変えられるからです。

翌朝の健康的な空腹感は、朝欠食と昼食の早食い・ドカ食いを防ぐことにつながります。 


肥満のしくみ

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エネルギーの摂取と消費のバランスが、摂取のほうが多くなったとき、余ったエネルギーはグリコーゲンや脂肪として貯えられます。グリコーゲンは肝臓と筋肉に貯えられますが、その貯蔵能力はせいぜい100~400g程度で、グリコーゲン1gの熱量は4kcalなので400~1,600Kcalしかグリコーゲンとして貯められません。

脂肪は1g約9kcalで、脂肪組織1kgあたり7,000~8,000Kcalのエネルギーが貯蔵できます。私たちは、皮下脂肪と内臓脂肪で数十kgは太ることが可能で エネルギーにすると数万Kcal~数十万Kcalのエネルギーを貯蔵することが出来るのです。

1日の消費エネルギーが2,000Kcalの人が、毎日2,050kcalの食事を摂り続けると、毎日50kcalの余ったエネルギーが、1ヶ月では1,500kcal、1年で18,000kcal、10年で180,000kcalがオーバーし、脂肪細胞1Kgあたり8,000Kcalとすると、180,000÷8,000=22.5Kg肥満することになります。 実際には体重の増加にしたがってエネルギー代謝量も増えるので、この計算どおりにはなりませんが、わずか1日50Kcalの摂取オーバーが、積み重なると 明らかに肥満を招くことがわかります。

野菜を摂ろう・・・

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セブンイレブンで「野菜をたっぷり食べようサラダ」があったので買ってみました。 厚生省が推奨する「1日に野菜350g」という量の半分に相当するサラダと書いてあります。 内容は、ロメインレタス、キャベツ、トマト、レタス、大根、きゅうり、玉ねぎ、紫玉ねぎ、紫キャベツ、人参、水菜、食塩、醸造酢とあり、熱量は42Kcal、蛋白質2.3g、脂質0.4g、炭水化物7.4g、ナトリウム16mgと表示されています。青じそドレッシングをかけて 何とか食べましたが、これを毎日2回食するのは無理だと思います。 食事の摂り方、内容については これからの記事の題材ですが、このサラダは極端な例として、1日にこれだけの野菜を摂らないといけないのか と 認識できる材料でした。 でも けっこうお腹は満腹になりました。

褐色脂肪細胞について

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脂肪組織は余剰エネルギーを中性脂肪として貯め込む 白色脂肪細胞と 貯め込んだ脂肪をエネルギーに変えて放出する 褐色脂肪細胞の2種類あります。 褐色脂肪細胞は 首のうしろあたり、肩甲骨周囲、わきの下、心臓・腎臓のまわり に存在しますが、成長期から徐々に減少し、成人するまでに生まれたときの半分にまで減るようです。

褐色脂肪細胞内のミトコンドリアには脱共役タンパク質(UCP-1)というタンパク質が存在し、酸化的リン酸化反応を阻害して摂取したエネルギーの余剰を熱として放出する役目をしているそうです。鶏の褐色脂肪細胞を使った研究から、冷たい刺激によって褐色脂肪細胞のUCP-1の活動が活発化することがわかっています。 そこで 人間においても 褐色脂肪細胞が分布している肩甲骨あたりを冷やして運動をすれば エネルギー代謝が増進されるとする説があります。でも、快適だとは思えませんね。肩甲骨あたりに保冷剤のようなものを装着して運動するなんて。

別の研究では、人の骨格筋の中に存在する脱共役タンパク質(UCP-3)が全身の代謝速度やグルコース恒常性に影響を与えうるという発表もあります。 どうも まだこの分野は はっきりとしたことが判っていないため、肥満や糖尿病の予防や治療法に役立つものと世界中の研究者が研究している段階のようです。

ヒスタミンについて

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先の記事で  咀嚼によって分泌される脳内の神経ヒスタミンが、脂肪分解、熱産性アップ、エネルギー代謝アップをさせる肥満改善の良いホルモンの一種だと勉強しましたが、ヒスタミンは一般に 花粉症やアトピー性皮膚炎の元凶として抗ヒスタミン薬という名前は良く耳にします。

神経ヒスタミンも かゆみを引起すヒスタミンも同じ物質です。 分泌される場所によって、我々にとって良くも悪くもなるのですね。人間のメカニズムは複雑ですから、簡単にこれが良いとか 決めることはできないわけで、ヒスタミンに効く抗ヒスタミン薬が万人に効くことも無いように 内臓脂肪を減らす方法も 万人に共通の方法は無いのかもしれません。単品ダイエットや 楽して急激に効果の出るダイエット法は間違っていることだけは言えると思います。

そうは言いながらも 世には数多くのダイエット法が次から次から新しく出てきます。人間誰しも 楽して簡単に目的を達することが出来れば良いのですが 長い年月をかけて溜め込んできた内臓脂肪を わずか1週間1ヶ月で無しにしてしまおうと考えるのは 我々の浅はかな希望なのでしょう・・。

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